第110回

第110回

先日新聞で「企業内大学設立の動き盛ん」・・・記事拝見。

思い起こせば、飲食業界は特殊な知識や能力は不要の世界。強いて言えば「人間性の善き人」なら誰でもOKでしたから、就労意識も雇用意識も低いことを否めなかった。結果「慢性手不足」業界、3K4K、ブラック・・・と揶揄された業界でした。

前職時代、私は「店はお客様の為にあり」「会社は社員の為にあり」「人生は自分自身の為にある」(自分だけの為ではない)と「3つの心」を、名刺サイズに印刷、社員に配布共有、唱和しました。

同時に「社内学校」設立しました・・・4月意気揚々と開校(校長・専任教員・社員相談室設置)新入社員対象に週一回4時間授業・・・6月に多数の「退職者」路線変更「月一回に」「一回2時間程度に」「1年先輩クラスも導入」等々種々変更や紆余曲折を経て何年か後「定着化に貢献」するようになりました。

私の「独りよがりで」「良きこと」「レベルアップ」「将来の人間形成に」等々「勝手判断でした」退職理由・・・学校や勉強が嫌でこの業界に入ったのに・・・が圧倒的でした。年を重ね「仕事と勉強できるから」という理由の入社もちらほら・・・

こんなこともありました・・・残業してでも稼ぎたい・・・その頃残業減らしの指示ありましたが「残業願い」(医師の診断書添付・提出、タイムレコーダー横に張り出し)で月、85時間程度の残業を認めました(これは、社内的には問題になりましたが「責任は私が!」で押し切りました。問題にならなくて良かったですが)自己世界が狭く交友範囲も狭く、若くしての結婚も多くありました(当然離婚者も多かった)そのために「稼ぎたい」社員も多く、残業したいが社風が変わり、残業に後ろ向き。手っ取り早く宅配業に・・・と。退職者が、宅配会社に移リ荷物を配達に来たことがありました。悔しい思いを思い出します.

社内学校で調理・接遇だけでなく、働く意義や、働き方や、自分の進路の考え方等々も話したり聞かせたり、考えさせたりしました。各人の個性を知らしめる努力をさせたり、人生をどのように過ごしてゆくのが・・・等々。徐々に落ち着いてきました「社員の辞めない会社」として取材されるようになって行きました。

教育を大きな目標にし始めていましたから、更に「現場教育係」を配置する「教育会社の」設立もいたしました。失敗の連続ではありましたが、社員教育が企業発展の主軸と!飲食業界は、日常生活の一部のような行為が圧倒的な仕事ですから「人間教育」でしたね。